ランニング十二日目

 この日は仕事中ふらうらだった。周りの人もふらふらだった。これが夏ばてというものなのか。そんな日のお話。

 いやな予感がした。こんなふらふらな状態でランニングするのか?今日は休むべきなんじゃないか?しかし一日おきという習慣はかえたくない。走ってみないとわからないじゃないか。走ったら意外に調子いいかも知れないじゃないか。僕は学生の頃いわゆる”根性論”で部活をしていた種類の人間だ。なので結局ランニングすることにした。
 いつものようにランニングタイツはいて、ヘアバンドして、腕時計して…。準備は整った。玄関から出て軽くストレッチ。足の調子もいい。気温は暑い。でだしは良い足のコンディションもある程度たつと悪くなるのは毎回のことだ。今日も心配だが一度決めたからには走らなきゃいけない。どうなるかは走ってみないとわからない。
 で、出発。うん、でだしは好調、足も軽い。信号に着くと赤だった。しかたなく小休止。ほんとは休憩なしで走りたいのだがまぁしょうがない。すぐ青に変わったのでふたたびスタート。
 折り返しまで半分くらいでもうすでに弱音が。うわ、今すぐやめたい。思ったとおり足の調子が悪い。ひざにかなり負荷がある。負荷というか、痛い。両ひざが痛い。まだまだ先は長いのにこの時点で足が痛くなるなんて。なんとか持ちこたえようとひざに楽な走り方を模索する。もうずいぶん長く走っている気がする。しかしまだ折り返しは見えてこない。
 直線コースに入った。ようやく折り返し地点が見える。足全体に疲労感が。ここまでして走る必要はあるのか、と思う。
 折り返し地点へ。そのときグラッと身体が傾いた。あぶない。足に今までにないダメージがきている。後半はいつものように何も考えずに走ろうとした。しかしひざの痛みが走るたびにひどくなってくる。一瞬”どっか骨にひびが入っているんじゃないか”と思った。そうなると不安が高まってくる。足を休ませないと。無理して走ったら仕事どころか日常生活にも支障がでるじゃないか。そんなことを考えていると不安なことしか思い浮かばない。”あの道を左折するとダンプで事故があった場所だ。いつも花が置かれている場所だ。”鳥肌が立ってくる。もう精神的にも体力的にも限界だ。
 ほんとのところは根性論で終点まで着けたと思う。しかしこの日は終点140m前でリタイヤ。残念ながら走るのをやめてしまった。あと直線ですぐだったのに。気分的にはホッとしたが、挫折してしまったという事実が心から消えないでいた。
 両膝が痛い。歩くのも痛い。なんというか敗北感を胸に家に入る。

 ”こんなこともあろうかと”氷のうを準備していた。



 汗だくの中、アイシングの準備。最初ストラップで固定するのが上手くいかなかったが仮止めストラップのおかげでとりあえず安定した。なかなか気持ちいい。以前買った氷のうよりも大きく感じる。そうか、前買ったのは手の腱鞘炎で親指を冷やす目的だったからSサイズだったっけ。なんか、じわっとした冷たさがひざに効いているような気がする。というか氷のうをはずした時点で痛みはかなり和らいだので実際利いている。今度は逆のひざにも巻きつける。良いものを買ったとうれしくなる。
 だが次はどうするか。一応自分のかかりつけ医師には相談して湿布はもうもらっている。別の整形外科に行ったところでまた湿布を出され1週間は安静にといわれるのはめにみえている。4,5日から1週間くらいランニングを中止し様子を見るか。そうした方がいいかもしれない。

 くやしいがランニングは少し中断することにした。そもそも何十年も運動しなかった人間がいきなりランニングというのは無理があったのだ。やる気はあるのにもはや身体がいうことをきかない。でもやめるわけじゃない。足の様子を見つつ再会するつもりだ。
 しかしたった12回で挫折なんてほんらいブログで書くなんて恥ずかしいことだ。情けないやつだと思われるかもしれない。でもそう思われてもしょうがないかなと思う。