ランニング二十二日目

 この日は曇り空だったので、昼間も少し涼しい感じがした。実際スクーターで走るとちょうどよく、風がとても気持ちがよかった。春秋はバイクに乗ると素晴らしい体験ができる。僕も原付を買う前には”夏は暑いし、冬は寒いし、雨降るとたいへんだし、バイクって何がいいの?”と思っていた。実際買って、乗ってみて、大げさではなく世界観が変わった。”こんな素晴らしいことがこの世にあったなんて!”とそれはもう喜んだものだ。
 で、夜になり、ランニングの準備。外に出てみるとじゃっかん涼しめな感じ。少しは気持ちよくランニングできるかなと思った。念入りに準備運動をする。特にひざ周り。ここがダメになるとランニングができなくなってしまう。今のところひざ以外で調子が悪いとか、痛みとかは発生していないので、ひざにかかる負担がとても大きいことがわかる。足首を回してぶるぶるさせて、手首もぶるぶるさせるのだが、ランニングに手首は関係ないんじゃないかといつも考えている。でもくせでついついやってしまう。まぁべつにそれで手首が悪化するわけじゃないしいいんだけど。
 家から出発。最近はなかなか足の調子がいいぞ。ここのところ昼と夜の気温差が激しいので風邪なんかも心配していたが、今のところ体調も悪くない。僕はもともと頭痛もちなので頭が痛くなっても、偏頭痛なのか風邪なのか判断に苦しむ。ロキソニンを飲めば頭痛はすぐにおさまる。風邪の症状ってめまいがしたり、はきそうになったりしないとわからないものなのだろうか。あっ、あと寒気か。僕の場合頭痛以外の症状で判断するしかないのか。
 学校の校庭の前を通り、川沿いのコースへ。今日はいたって普通な感じ。前半も半ばに差し掛かって思った。”あれっ、もしかしてランニングスキルが上がった?”RPGゲームのように、経験値がマックスになってレベルが上がった感が…。なんというか体感的にランニングが楽になったようなそんな気がしてきた。いや、そんなに簡単に上達しないでしょ…と思い返した。夜の気温と身体がちょうどいい具合に作用しているに違いない。しかしランニングを始めてからこれまで体験したことのないような心の余裕。この体感はなんだろうと思いながら走り続ける。
 折り返し地点に到達。用水路沿いへ。汗がたれてきた。それほど暑いとは思わないのに。なんかいい汗をかいているのか。これがいい汗なのか?髪の下も汗で濡れている。しかし疲労感はまったくない。
 夜の暗い道はちょっとした動きを見るとびくっとしてしまう。夜は好きなんだけども何が動いたかわからないという恐怖感が少しある。僕は臆病者なので、葉っぱが落ちてくると”上になんかいる?”とか猫が走っただけでちょっと驚いてしまう。そういえば今日も猫がいた。今日はなぜか人をいつもより多く見かけた。ウォーキングしている人、雑談をしながら歩いている人、自転車で通り過ぎる人、また再び雑談をしている人、一人でランプを持って歩いている人。今日は何かあったのか?なんか不思議な気分。普段そんなに人を見かけないのに。
 最近はペースが速くなったようなので、いつも延長コースを走ることにしている。しかし汗がだらだらたれてくる。口に入るわ、目に入るわ。目がしみて痛い。タオルは持ってきていない。しばらくして涙で汗が中和されたみたいだ。何のためにまつ毛があるのか。こういうのを防御するために生えているんじゃないのか?いや、タオルを持ってこなかった僕が悪いんです。でもタオルってランニング中どこに固定するの?
 終点に到着。最近はあまりはぁはぁいわなくなったかな。玄関先でストレッチするも汗がぼたぼたたれてくる。今日はなんだか運動した気分。
 部屋に入り、タオルタオル…とタオルを引っつかむ。うわぁ、汗をぬぐうと気持ちいいね。目をゴシゴシ。