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zoom RSS DTM ボレロ制作記

<<   作成日時 : 2018/09/28 23:51   >>

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 なぜボレロを作ろうとしたかはあまり問題じゃない。途中からボレロを作ることが目的になってしまったのだ。
 ボレロというのは、モーリス・ラヴェルの作曲したクラシック曲だ。クラシック曲だから楽器数も多いけど、ボレロなんかコピペでできるだろうと思っていた僕が間違いでした。
 
 まずスコアがないと話にならない。ウィキペディアにボレロの譜面があったので、最初はそれを見ながら音符を入力していった。入力に使用したソフトはTuxGuitar。僕は曲作りにTuxGuitarを使用しているので自然とそうなった。とにかく音符入力ツールとしてTuxGuitarはとても便利なソフトなのだ(だがのちのち後悔するはめに…)。
 まずフルートから入力して…スネアドラムは2小節分作ったらコピペして…。あの延々と繰り返される有名なフレーズは耳になじんでいるので、音符に間違いがあればすぐにわかる…最初のうちは。
 とりあえず冒頭数小節分を入力して、midi出力して、SonarArtistで読み込んで、VSTのMiroslav philharmonikをわりあてて…。いろいろ楽器をとっかえひっかえして、なんとなくボレロっぽくなる。
 しかしパソコンの画面上で譜面を確認するのがめんどくさいことに気づく。なにしろTuxGuitarと譜面のウィンドウを交互に表示させなければいけないんだから。そこで手近な楽器屋でボレロの譜面を探しに行くことにした。運がいいことにすぐに見つかった。で、購入。家に帰ってその譜面を見ながら再び作業開始。だが…小さい。音符が小さい、♯、♮、♭の区別がつかないなどなど。これはルーペでもないと読めないぞ、と近くのホームセンターにて安いしおり型ルーペを購入。このルーペがとても便利で、ようやく記号の判別ができるようになった。
 順調に入力が進んでいるかに見えたが、問題が発生。クラリネットパートが、譜面どおりに入力したはずが、明らかにおかしい。音がとんでもなくずれてる。え、なぜ?調号を見逃している?
 問題は少ししてわかった。ネットで調べると移調楽器というものがあるらしい。クラリネットもその移調楽器の一つなのだが、ようするに楽譜の音符どおりに音を出すと違う音が出るらしい。クラリネットの場合、C(ドの音)の音符を吹くとB♭(シ♭)の音が出るようになっている。これを実際の楽器で演奏すると調が合うのだが、PCで入力すると移調されずに、C(ドの音)の音符を吹くとそのまま同じC(ドの音)が出てしまう。そりゃあ音が合わないはずですよ。僕もクラリネットを7年近くやってましたが、移調楽器だと初めて知りました。つまりパート全体を選択して、2音下げなきゃいけないわけですよ。
 ということで、入力したクラリネットパートをSonarで読み込み、ピアノロール(僕はピアノロールが苦手)でドの音を入力。全選択してそのドをつかんで、シ♭まで下げる。あぁようやく音が正しく鳴るようになった。移調楽器はクラリネットだけじゃない。トランペット、トロンボーン、サックスなどなど。これは大変なことになりそうだががんばって調整しなきゃ。半分くらい作って知ったのだが、移調楽器を自動的に調整してくれる作曲ソフトがあるらしい。譜面入力をTuxGuitarにこだわったばっかりに…。そのソフト使った方がぜんぜん楽じゃん。でももう遅い。この移調作業にとても手間取った。例えばソプラノサックスを入力する。移調しても音が合わない。どうしても合わない。なぜ?なぜ?譜面をよくよく見てみると”ソプラニーノサックス”と書いてある。え〜ソプラノサックスじゃなかったの?っていうかソプラニーノサックスって何?僕はソプラニーノサックスをソプラノサックスのフランス語だとばかり思っていたのだ。
 ボレロの譜面表記はフランス語だ。なので楽器名が書いてあっても何の楽器だかわからないところもあるのでいちいち調べなきゃならなかった。
 しかも中盤になってくると、主旋律からはずれた(?)音がかぶさってくるようになる。1オクターブ上とかならまだわかるけど、中途半端に度数が上がったり下がったりすると、音を聴いていて本当にこれで正しいのかとても不安になってくる。そういう時はもう耳で聴いてみて不自然じゃないかどうかで判断するしかない。こんな状態で単純な入力ミスなんかがあると訂正するのがとても難しい。なんども聴いてみて調整するしかないのだ。
 こんなに大変だったなんて…。ボレロなんかコピペとか思っていたのが間違いだった。いやもちろんコピペのところもあるけど、そのコピペした部分が本当に正しいかどうか、小さい譜面をルーペで拡大して見比べながらのチェック作業もある。調号を見逃してないか…。しかも曲が進むにしたがって楽器が増えてくる。
 ただ地道に作業しようとは思っていたので今日はここやって、明日はここやってみたいにゆっくりやってみた。どうしたって1〜2週間でできるはずはないのだ。
 参考のCDとも聞き比べながら作業した。そこで気づいたところもいくつかあった。
 まずテンポが一定ではないこと。僕はボレロっていうのは機械的な正確さのテンポで進んでいくのかと思っていたが、CDを流してメトロノームで測ってみると、微妙な緩急があることに気づいた。このあたりのテンポ変更はCDの曲と作成した曲を同調させて変えていった。まぁ大まかにあわせてみただけだけども。
 あと譜面にのっていない謎の音の存在。どう確認したってそんな音符は譜面にないのだけど(後半のフレーズ間のトランペットの音など)。これについては譜面を信頼してあまり改変はしなかった。
 譜面自体を疑うことはけっこうあった。でも最終的にはほぼ自分の間違いでした。クラシックの譜面の知識もあまりなかったし、勘違いが多かった(吹奏楽程度の知識しかなかった)。
 Sonarでの各パートの音量調整なんかも大変だった。譜面には一応pp(一番弱い音)からff(一番大きな音)の表記はあったが、譜面の指示通り演奏させると明らかに不自然だった。なので何度も聴いて音量調節するしかなかった。とくにボレロは後半も後半あたりで最大音量になる。ただそこで安直にボリュームをあげてしまうと音がひずんでしまう。クラシックの場合楽器数が多いので簡単に音割れを起こしてしまうのだ。迫力を持たせるために思いっきり大きな音にしたいのだが、結局ある程度の音量に抑えるしかなかった。これがポップスとかの曲だともっともっと音量を上げられるのだが。
 VST(midiデータにリアルな音を当てはめることができる音源ソフト)に関しても試行錯誤だった。僕はIK Multimediaという会社のMiroslav Philharmonik 2というクラシック専用音源を使っているのだが、使用できる楽器数が多いのでどれが一番自然に聴こえるかとっかえひっかえ。例えばフルートにしても奏法によって10数種類のフルート音源がある。一番自然だと思える音源を使おうと思えば、ビブラートがかかってなかったりする。そういう時はSonar上のツールを使ってゆらぎを書き込むしかない。またいきなり”ぷー”っと出るのは自然じゃないので、ふわっと音が出るようにボリュームツールを使って短めにフェードインさせる。あと楽器によっては音域が狭すぎて音が出ないようなこともあった。これは例えばトロンボーンとかがそんな感じ。ボレロのトロンボーンパートを鳴らそうとすると、高域の音が出ない。べつにとんでもない高音を出そうとしているわけじゃないのに…。なぜこんなに狭いんだ。こんなんじゃ使い物にならない。ということでトロンボーンに関しては、一つ昔のMiroslav Philharmonik 1の音源を使うしかなかった(こっちはちゃんと音が出る)。トロンボーンに関してはのちのちとんでもない痛い目を見るのだが…。
 Miroslav Philharmonik 2(1も)にはサックスの音源が存在しなかった。最初なんで〜と思ったがたぶんクラシックでサックスはあまり使わないからなのだろう。なのでおなじIK MultimediaのSampleTankを使用するしかなかった。でもサックスも種類が限られていて、ソプラノとテナーサックスしかない。当然ソプラニーノサックスなんてものはない。ここはもうDTMの限界だとあきらめざるを得ない。他社の音源だったら存在するのかもしれないが、もちろんそんなもの買うお金もないので。もう不自然さ全開な音。っていうかクラシック用ではなく明らかにジャズを意識した音。いろいろパラメータをいじって改造するしかない。でもこのパラメータの意味がさっぱりわからない。スイッチ多すぎるよ。でも何度もネットで調べ、実際に使用することでなんとなく効果がわかってきたような気がする(あくまで気がするだけ)。各パラメータの説明がポップアップで表示されればいいのに。結局不自然さはあまり取り除けなかったが、まぁ許容範囲ということで…。ソプラニーノサックスの部分は普通のソプラノサックスを代用した。他にもいくつか音源の存在しない楽器があったけれど、他の似たような楽器の音源を使用。スネアドラムなどパーカッション系は古いMiroslav Philharmonik 1の音源を使うしかなかった。だってMiroslav Philharmonik 2にパーカッションの項目がなかったんだから。と思っていたら、2にも一応存在していることを確認した。ただ出し方がめんどくさい。何で普通に最初からパーカッションを表示させとかないのか。なんかMiroslav Philharmonikも2になって、音質自体は良くなったのに使えない音源もほんのちょっと増えたような気がする。なんかいろいろもったいない音源だ。だが不満があるとはいえ他社の高価なクラシック音源に乗り換える気はもうとうないんだけど。
 徐々に形になっていくのは聴いてて楽しい。でも修正するべき部分はたくさんある。それもひとつひとつ修正していく。で、なぜか鳴っていないトラック(それぞれの楽器のメロディが入っているデータ)があることに気づく。DTMのソフトはかなり不安定だ。いろいろ予想外の出来事が起こったりする。鳴ってないトラックは再び音源を当てはめればまた音が出るようになる。でもパラメータも以前の感じに戻さないと。かれこれトラックを追加していって、結局100トラックを超えてしまった。なぜこんなに多くなったかというと、奏法の問題がある。たとえば弦楽器を例にとると、普通に弾くのと、ピチカート(ぽんぽんと指で弦をはじく奏法)とかスタッカート(音を短めに弾く奏法)なんかがあったりする。一つのバイオリンパートが2つになり、3つになる。バイオリンが4人いるとすると12トラックになってしまうのだ。でももしかしてもっと効率のよいやり方があるのかもしれない。僕が知らないだけかも…。
 
 そんなこんなで修正中にどうしても気になるところがあった。もう最後の方のトロンボーンが”ブォーブォー”と鳴るところ。ここまでMiroslav Philharmonik 2のトロンボーンが音域が狭くて使えなくて1の音源を使用していたのだが、この部分を1のトロンボーンで鳴らすとちょっと気に入らないので、仕方なくホルンで代用していた。
 ”でも2のトロンボーンの音域が狭くてもここの部分くらいは音だせるんじゃね?”
 VSTを2のトロンボーンにためしに変更。どんな感じになるのかなぁとワクワクしながらSonarで再生。すると
 ”ぶぉ!!ブチッ!!”
 トロンボーンのとてつもない大音量がでて、謎のぶちっ音が発せられたかと思うとSonarが沈黙。音が出なくなった。それからSonarが挙動不審におちいる。再生してもカクッカクッ。最初は正常に再生されても途中で”ぷぅーーー!”という音が鳴り、再生がとまる。Sonarを再起動しても、パソコンを再起動しても同じ現象が起こる。
 ”壊れた。でもどこが壊れたのか…。”
 まったくわからない。原因はあのトロンボーンの大音量だ。それはわかっている。でもどこの何が壊れたのか?
 僕は最初オーディオインターフェース(usb接続のパソコン用外付けオーディオ機器)が逝っちゃったんだと思った。なんとなく一番壊れやすそうだ。パソコンが壊れたなんて思いたくない。だがしかし、PCの起動がめちゃめちゃ遅くなった。起動に10分近くかかるようになったのだ。オーディオインタフェースをusbからはずしても症状は変わらず。
 数日間、何が壊れたのか悩んだ。ボレロのデータなのか?せっかく作ったのにまたやり直しなのか?そういえばSonarの起動がめちゃめちゃ遅くなったぞ。なんで?
 以前購入したJBLのPebblesというusbスピーカに気づいた。usb接続なのでPCで鳴らすにはオーディオインターフェースみたいな設定をしないと鳴らない小型スピーカーだ。そうだ、これを試しにPCにつなげば調子よくなるかも?つないでみた。Sonarを起動し、再生してみる。あ、普通に鳴ってる。ってことはやっぱりオーディオインターフェースが壊れちゃったのか?しかし2,30分くらいして、同じ症状が現れる。”ぷぅーーー!”…無音。
 ここで思った。usbスピーカーでも同じ症状が出るということは、オーディオインターフェースの故障ではない。原因は他にあるはずだ。
 ある日、Dドライブを開こうとしたら、とてつもなく読み込みが遅いことに気づいた。何でこんなに遅いのか…。もしかしてDドライブが逝っちゃったのか?
 そこでパソコンからDドライブをはずして試しに起動してみる。あれ、普通に起動できる。10分近くかかっていた起動時間が普通に戻った。ということは明らかにDドライブが故障している!
 なんということでしょう。トロンボーンがDドライブを破壊してしまったのです。こんなことがあるのでしょうか?
 出費はしたくないが、このままじゃパソコンは使えない。ということで内蔵ハードディスクを隣町の家電量販店で購入。家に帰りパソコンに接続。普通に起動するじゃありませんか。しかも故障以前より起動時間が速くなってる!ただ問題が。故障したハードディスクからデータを移行させないと。どうするかというと故障したハードディスクを再びパソコンに接続して、前から持っていたバックアップ用の外付けハードディスクに移行させるのだ。これがとんでもなく時間のかかる作業だった。故障したハードディスクは遅いながらもどうにかアクセスできる。だが遅すぎるので、2〜300MBのファイルを移行するのにだいたい1〜2時間かかる。なかには100GBちかくのフォルダが2つもあるのだ。いったい何時間かかるのだろうか?途方にくれる。でもやるしかない。
 データ移行のためにパソコンつけっぱなし。寝るときも、仕事に行くときも何日もフル稼働。パソコン大丈夫かなと思い心配しながら日々を送る。
 …1週間近くかかってようやく全てのデータ移行が完了。長かったなぁ。で、故障したハードディスクをはずして、新品のに交換。あ〜起動がとても速い。パソコン起動後、外付けハードディスクから内蔵ハードディスクにデータ移行。やっぱり速いね。30分から1時間で(あまりよく覚えていない)データ移行完了。VSTも同じところに置いとかないとDAWが読み込まないしね。
 さてボレロのデータは無事開けるのだろうか?心配しつつSonar Artistを起動。どうにか開けた。再生もできる…と思ったが、再び”ぷぅーーー!”という電子音が鳴りおわると、停止。がっかり。
 ハードディスクは正常。パソコンも正常。ということは…Sonar Artistが壊れている?
 サポートが終了したSonarをBandLabというメーカーが引き継いでいることはかねてから知っていた。これは、アップデートするちょうどいい機会だ。きっとSonar Artistが壊れていて、新しいのをインストールしたら正常に戻るにちがいない…と思う。
 BandLabの配布しているSonarの後継DAWをインストールするのはとっても簡単だった。まぁ、もちろんネットでインストールの仕方をあらかじめ熟読していたのだが、僕でもできるなら誰だってできるに違いない。
 インストール完了後、ボレロを読み込み。…よかった。今度こそちゃんと再生できてる。最後まで再生できた。やっぱりSonarが壊れていたのか。ハードディスクとSonarを破壊したトロンボーンの恐るべき破壊力。
 で、ボレロはほとんど完成していたので、もうこれでいいかという気分になった。なんとなくもう修正する気力がうせた。またハードディスクが壊れたらやだし。
 それから数日たって、今度はパソコンの電源インジケータが光らなくなった。…これもトロンボーンが破壊したのか!またしてもトロンボーンのせいなのか!?仕方ないので隣町の家電量販店でパソコン用LEDを購入。パソコンの中をあけて、LEDを交換。ちゃんと光った!結局トロンボーンはSonarとハードディスクとLEDインジケータを破壊したのだった。もうトロンボーンは暴れんボーン将軍と名称を変更するべきだ。

 そんなこんなでいろいろ大変だったボレロ制作。まぁ一応形にはなったからいいかな。

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